世界陸上競技選手権(せかいりくじょうきょうぎせんしゅけん、IAAF World Championships in Athletics)は奇数年で開催される陸上競技で、世界最高峰の大会。正式名称は国際陸連陸上競技世界選手権。通称「世界陸上」(日本テレビ中継時代に最初に用いられた呼称)・「世陸」(独占中継を担うTBSでの呼称)。
1980年のモスクワオリンピックの西側諸国のボイコットを機に新設され、1983年にヘルシンキで第1回大会が開催されて以降、当初は4年ごとに開催されていたが、1991年の東京大会以降は2年ごとに開催されている。
オリンピックよりも世界記録や参加する国と地域の総数が多く(2004年のアテネオリンピックの202に対し2003年のパリ大会では210)、注目に値する大会であり、歴史は浅いが、個人種目中心競技では最高峰の大会であり、日本でも高い視聴率を記録している。
回数 開催日程 開催国 開催都市 開催会場 参加国
・地域 競技者
数
1 1983年8月7日 - 14日 フィンランド ヘルシンキ ヘルシンキ・オリンピックスタジアム 183 ---
2 1987年8月28日 - 9月6日 イタリア ローマ スタディオ・オリンピコ 157 1741
3 1991年8月23日 - 9月1日 日本 東京 国立競技場 164 1517
4 1993年8月13日 - 22日 ドイツ シュトゥットガルト ゴットリーブ・ダイムラー・シュタディオン 187 1689
5 1995年8月5日 - 13日 スウェーデン イェーテボリ ウレヴィ・スタジアム 191 1804
6 1997年8月1日 - 10日 ギリシャ アテネ アテネ・オリンピックスタジアム 198 2266
7 1999年8月20日 - 29日 スペイン セビリア エスタディオ・オリンピコ 202 1944
8 2001年8月3日 - 12日 カナダ エドモントン コモンウェルススタジアム 189 1766
9 2003年8月23日 - 31日 フランス パリ フランス競技場 198 2008
10 2005年8月6日 - 14日 フィンランド ヘルシンキ ヘルシンキ・オリンピックスタジアム 196 1800
11 2007年8月25日 - 9月2日 日本 大阪 長居スタジアム 203 1981
12 2009年8月15日 - 23日 ドイツ ベルリン オリンピアシュタディオン
13 2011年8月27日 - 9月4日 大韓民国 大邱 ワールドカップ競技場
14 2013年8月10日 - 18日 ロシア モスクワ ルジニキ・スタジアム
※日付は現地時間
選手の参加資格
文字通り世界一のアスリートを決する大会であるが、かつてのオリンピックの様に各国の陸上連盟の推薦のみで選手出場を無条件に認めてしまうと、参加選手数が激増し、大会が肥大化して宿泊施設、食事の供給、選手の移動など様々な面で支障が発生する。その為、開催毎に各種目ごとにAとBの2つの参加標準記録が設定されており、この標準記録を突破し、一定の条件をクリアした選手にのみ大会への参加資格が与えられるという、一種の足切りが行われている。
A標準記録突破者は下記の特例選手を除いて1国3名まで(マラソンのみ5名まで)参加でき、A標準突破者がいない場合はB標準記録突破者1名の参加が許される。
なお、開催国に限っては標準記録突破者がいない場合でも各種目1名の出場枠が設けられており、A標準突破者が1名ないし2名いる場合もB標準突破者1名が参加できる。
なお、この参加標準記録のAとBいずれをクリアしているかは、大会を中継する放送局にとっても選手を紹介する際に重要な資料となり、レース前の下馬評としては当然ながらA標準記録を突破している選手の評価が総じて高くなる。
日本における世界陸上の位置づけ
日本では、夏季オリンピックの前年の大会はオリンピック代表選考を兼ねている。現在の選考基準では、マラソンは日本人最上位のメダル獲得者。その他の競技は、日本人最上位の入賞者が内定者となる。ただし、経費面などの問題もあるため、選手を派遣する日本陸上競技連盟の方針によってB標準突破者は原則出場しない場合もある。
マラソンは試合毎に数か月から年単位の準備期間を要することもあり、夏場の世界選手権はオリンピックを視野に入れる水準の選手には敬遠される(世界選手権―国内選考レース―オリンピックと1年間に夏の2本を含む3本のレースに全力で挑むことになり負担が大きい)。このため、メダリストの1人は選考レースを免除とすることで世界選手権、オリンピック両方の代表水準を確保する意図がある。これが奏功してか2003年パリ大会の女子マラソンでは2位から4位を日本選手が占め、ここで代表内定した野口みずきは続くアテネオリンピックで優勝した。
世界陸上競技選手権は、発足から4年に一度開催であった1991年までは選手にとってオリンピックに並ぶ価値を持ち、数々の名勝負を演出してきた。しかし隔年開催になった1993年、前年度女子マラソンのランキング一位オルガ・マルコワが出場料を要求して出場を拒否するなど以降権威の失墜は甚だしく、現在では伝統あるヨーロッパ陸上選手権、コモンウェルスゲームズ(英連邦大会)を持つ欧州選手・アフリカ選手にとっては何の磁力もなく一賞金大会以上の意味を持っていない。この大会最大のスポンサーである日本では花形種目のマラソン五輪代表選考をこの大会とリンクさせる等して高い位置づけを計っているが、こういう事は世界的にはむしろ異例である。
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